4. 臨港地区規制の現状
「ウォーターフロント利用促進方策調査報告書」(平成11年3月、運輸省港湾局民間活力推進室、社団法人ウォーターフロント開発協会)等を参考に、臨海部の土地利用規制の現状について整理した。
1. 主な現行土地利用規制
臨海部の土地利用において用途規制の根拠法になっているものとして、都市計画法・港湾法・公有水面埋立法・工業等制限法等がある。臨海部は一般的には工業系の用途地域が指定されており、工業専用地域などは住宅・商業等は一切建設できない。
臨海地区が指定されている地域は、港湾法に基づく分区規制により用途が厳しく制限されている。但し臨港地区に指定された地区には、建築基準法48条49条の用途規制は適用されないことになっている。
その他、竣功後10年未満の埋立地においては土地利用用途について厳しい制約がある。
また工場についても既成市街地から分散の必要性から立地面で制約がある。
以下に主な土地利用規制の根拠法の条文を示す。
●都市計画法(建築基準法)による土地利用規制(表2.1、2.2参照)
都市計画法第9条の規定により、12の用途地域が指定できる様になっている。
また具体的な規制内容については建築基準法第48条で定められている。
【都市計画法第9条】第1種低層住宅専用地域は、低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。〜
【基準法第48条】第1種低層住居専用地域においては、別表第2(い)項に掲げる建築物以外の建築物は、建築してはならない。〜
●港湾法による土地利用規制(表3.1参照)
港湾法第39条の規定により、臨港地区内には9つの分区が指定できる様になっている。
また同法第40条によって利用が規制されている。
【港湾法第40条】前条に掲げる分区の区域内においては、各分区の目的を著しく阻害する建築物その他の構造物であって、港湾管理者としての地方公共団体の条例で定めるものを建築してはならず、また、建築物その他の建築物を改築し、又はその用途変更して当該条例で定める構築物としてはならない。
●公有水面埋立法による土地利用規制
公有水面埋立法第27条により竣功後10年間は利用制限がある。
公有水面埋立法27条】第22条2項の告示の日(竣功認可)より起算し10年間は第24条第1項の規程(所有権の取得)により埋立地の所有権を取得したる者は又はその一般承継人当該埋立地に付所有権を移転し又地上権、質権、使用貸借による権利若しくは賃貸借その他の使用及び収益を目的とする権利を設定せむとするときは当該移転又は設定の当事者は命令の定むる所により都道府県知事の許可を受くべし。