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2]公社の経営上のメリットと自己責任

遊休・低利用コンテナターミナルが生じることについては、施設の整備、改良の計画、実施を誤ったという指摘もあるが、世界的なコンテナ船の急激な大型化、制度の変更などの事情がその背景にあるといえる。

今後の方策としては、遊休施設の有効活用を図り、新たな収入が得られれば、また、固定的な支出を削減できれば、公社経営にとってプラスとなると考えられる。

 

3]コンテナふ頭周辺での用地需要

港湾関係者へのアンケート,ヒアリング結果から、コンテナふ頭周辺では、ヤードの不足、バンプールやシャーシ置き場の不足、交通渋滞解消のための用地(臨港道路の拡幅や予約制によるコンテナ引き渡し場所等)の確保が必要とされている。

また、ターミナルの24時間オープンの条件としての厚生施設の必要性やゲート待ちのスペースの確保等も考えられ、用地需要は大きなものがある。

 

4]港湾全体からみた遊休・低利用ターミナルの活用

世界的なコンテナ船の急激な大型化、制度の変更などによる港湾整備のニーズの変化には、今後、柔軟かつ迅速に対応していく必要がある。

港湾において新たな開発可能空間が乏しくなりつつある現在、比較的まとまった遊休地が生じた場合、これらの有効活用は港湾全体の機能配置等から検討されるべきである。

このため、港湾管理者が新たな用地や岸壁を必要とし、公社が遊休・低利用コンテナターミナルを保有している場合は、これら施設・用地の港湾管理者への売却等を検討すべきである。

現行制度上は、先に述べたとおり、公社資産の、承継法の目的を大きく離れた恒久的な運用は不可能であるため、「既存施設有効活用促進事業(統合補助金)」*を活用して、港湾管理者への公社資産の移譲を促進し、望ましい姿での港湾整備を進める必要がある。

 

*既存施設有効活用促進事業(統合補助金)の創設(平成12年度運輸省概算要求の概要より)

採択条件:

・都道府県、政令指定都市の施工する事業は事業規模が2億円(市町村は2千万円)以上とする。

ただし、1箇所の事業が5億円を超えるものは対象外

・荷役用係留施設の延長増となるもの及びボートパーク、マリーナ関連施設は対象外

対象事業メニュー:

・既存施設の利用転換のための買い取り、改良

・既存岸壁の利用転換(荷役岸壁から船だまり・親水護岸への変更等)のための改良工事

 

 

 

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