(1) 現在の代表的なタンカーの場合は、INF3船は800℃、0.9時間の火災環境に曝される。この場合のハッチカバー下面の最高温度は約226℃となり、輸送物の周囲温度の最高温度は約172℃となる。
(2) 現在の代表的なタンカーから海面に流出した油の燃焼が緩やかな場合には、海面火災の火炎温度が400℃となるとともに、火災の持続時間は3.8時間となる。この場合のハッチカバー下面の最高温度は約182℃となり、輸送物の周囲温度の最高温度は約157℃となる。
(3) 第3世代の超大型タンカーの場合は、INF3船は800℃、1.8時間の火災環境に曝される。この場合のハッチカバー下面の最高温度は約245℃であり、現行のタンカーの場合に比較して約20℃弱温度が上昇するだけである。輸送物の周囲温度の最高温度は約184℃となる。
(4) 第3世代の超大型タンカーから海面に流出した油の燃焼が緩やかな場合には、400℃、5.4時間の火災環境に曝される。この場合のハッチカバー下面の最高温度は約189℃となり、輸送物の周囲温度の最高温度は約161℃となる。
次に、輸送物の安全裕度を評価することを目的とし、仮想的に海面火災の火炎温度が800℃で、かつ30時間に亘り火災が持続する条件を想定して解析した結果、INF3船が800℃、30時間の火災環境に曝される場合には、ハッチカバー下面の最高温度は約300℃となり、輸送物の周囲温度の最高温度は約235℃となった。