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2.4.2 平均波周期

通年及び四季別の等波周期線図を図2.4に0.5秒間隔で示す。図中には、等波高線図同様に沿海区域の境界及び限定近海区域の境界をそれぞれ太実線及び破線で示している。これらの図から波周期に関しても海域や季節によって特徴があるのが分かるが、航行区域との関連で特徴を挙げると以下の事が言える。

(1) 内航船が航行する海域の平均波周期はほぼ5.5秒から7秒程度である。これを波長に換算すると約47m〜約76mとなるが、それとほぼ等しい50m以上70m未満の長さの船は内航船全体の約6割となっている。

(2) 沿海区域の境界の波周期は5.5秒〜6秒程度であり、限定近海区域はそれより少し長いが、波高ほど航行区域による違いは見られない。

 

2.5 まとめ

局所波浪データを用いて波高波周期頻度分布表を作成し、日本周辺の波浪の特性について調べるとともに、等波高線図、等波周期線図、等風速線図を作成して日本周辺の海象と航行区域の関係について調べたところ以下のことがわかった。

(1) 限定近海では沿海に比べて平均波高が大きく、平均波周期も長くなっている。その差は平均波高で10〜15cm、平均波周期で0.1〜0.3秒程度となっている。また、沿海及び限定近海では10秒をこえる長周期の波は夏季及び秋季に集中していることがわかる。

(2) 波高の超過確率で検討したところ、沿海及び限定近海ではほとんど差はないこと、外洋に行くにつれて大波高の頻度が高くなっており、限定近海区域での海象の特性は近海及び遠洋よりもかなり沿海に近いと考えられる。

(3) 沿海区域の境界の波高は太平洋側では犬吠埼沖及び三宅島周辺海域を除いてほぼ1.5m〜1.75mの間になっており、限定近海区域の境界では八丈島付近を除いて太平洋側は波高ほぼ1.75m〜2.0mであり、日本海側では、波高1.5m強となっている。

(4) 内航船が航行する海域の平均波周期はほぼ5.5秒から7秒程度である。これを波長に換算すると約47m〜約76mとなるが、それとほぼ等しい50m以上70m未満の長さの船は内航船全体の約6割となっている。

(文責:船舶技術研究所 小川 剛孝)

 

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図 2.1 局所波浪データ計算地点図

 

 

 

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