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(c) 避難経路について

本研究では、船舶の空間構造を熟知する人(乗員)と知らない人(乗客)を区別して、避難経路の探索方法を考えた。乗員は現在位置から避難場所までの最短経路に沿って避難する。また、乗員は、避難途中に煙に遭遇すると、その空間を回避して避難場所に行く最短経路を行くようにした。乗客は、分岐部での次に行く空間の選択を避難シミュレーション実験で得られたモデルを用いて行う。また、途中で乗員に会った場合、その乗員の後に従う。

(d) 避難シミュレーションの初期配置の設定

避難者の初期配置としては、昼食事の時間帯を想定した初期配置A、食事以外の昼間の時間帯を想定した初期配置Bを設定した。初期配置Aの場合、乗客、乗組員は図2.2.9.4のように乗客の70%(56名)は、C甲板の食堂に集中し、残り30%(24名)は、A、B、C、D甲板に配置した。乗組員は、A甲板には9名、B甲板には1名、C甲板には13名、D甲板には14名、E甲板には3名配置した。火災は昼食時に発生したものとする。初期配置Bの場合、乗客、乗組員は図2.2.9.5のようにA−Eデッキに配置した。この時間帯に乗客は80%近い居室に分散した。その内、約40名がCデッキの居室、Dデッキの乗客が28名全員Dデッキの居室、残りはA甲板には3名、B甲板には5名に配置した。乗組員の配置は初期配置Aと同じようにした。

 

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図2.2.9.4 避難者の初期配置A

 

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図2.2.9.5 避難者の初期配置B

 

 

 

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