このプログラムは、まだ収束計算の安定性等改良の余地があり、今後さらに改善する予定である。火災室前の廊下における上層下端高さ及び下層の煙濃度を図2.2.7.2に示す。
2.2.8 避難シミュレータ
船体の構造(画像ファイルにしたもの)、避難者の画像等を入力して、被験者の足の動き、頭の位置、方向を入力して、歩く動作を作って船舶内を移動するシミュレータを作成し、実験を行って、避難者モデルを作成した。(図2.5.3.8)
(1)避難シミュレータにおける処理の概要
(i)被験者の高さ、および他避難者の動きの計算
画像生成用計算機は専ら画像の計算のみに使用するため、階段等を考慮した被験者の位置、また、他避難者の行動は、船舶入力モジュールより得た試計算対象船舶の構造データを保持している主計算機で計算し、共有メモリー経由で画像生成計算機に送る。他避難者のデータはすべて主計算機で計算するが、被験者の位置は、入出力制御用計算機から、共有メモリー経由で送られてきた被験者のx、y座標より、z座標を計算するというものである。
(ii)試計算対象船舶の避難シミュレータにおける画像化
船舶入力モジュールでは、試計算対象船舶の画像データをDXF形式で出力する。このまま、画像生成用計算機に入力し、試計算対象船舶を画像化できるが、壁、床等にテクスチャを張ってよりリアリティを向上させるため、DXF形式の画像データに、CGソフトウエアであるSoftImageで各ポリゴンに必要なテクスチャをはり、その後Wavefront形式で出力して画像生成用計算機に転送した。画像生成用プログラムは、Wavefront形式の試計算対象船舶の画像データを読み込み、HMDのCRTに出力する。被験者が見る画像の例を図2.2.8.2に示す。