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表2.2.6.8 火災進展シナリオ各グループの発生確率(n=3)

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専門家の意見聴取に基づき、この方法で得られたイベントシーケンスおよび感度解析に使用する各要素の成功時間の例を表2.2.6.5に示す。

なお、火災室に関しては、事故データより火災室の確率分布が得られると思われるので(機関室、ギャレイ、ランドリー、居室等、室の種類毎に火災事故件数が得られるはずである。Generic Modelが得られれば、デッキ毎に火災室とすべきであろう。)、原則として、それらのすべてでシミュレーションすべきと思うが、結果に寄与する程度がある程度判明していれば発生場所をグループ分けできると思われる。

 

2.2.7 煙流動シミュレーション

建築研究所が開発した2層ゾーンモデルによる煙流動シミュレーションプログラムを基に、収束の安定化のために陰解析を導入する、船舶入力モジュールの出力に合わせた入力形式にする等の工夫を施して、MSES用の煙流動シミュレーションプログラムを作成した。

(1)火源の仮定

客船の2等船室を仮定した火災実験を基に、消火のオペレーションのない場合の火源の発熱率を図2.2.7.1に示す通り仮定した。消火のオペレーションが成功する場合は、それ時点から1ないし2分程度で発熱率を0にした曲線を使用した。また、単位発熱量当たりの発煙量は0.02m2/kJとした。

(2)通行の限界13)

避難シミュレーションの入力データとして、煙流動シミュレーション結果に基づき、船内各部が通行不能になる時間を求める必要がある。そのため、上層下端の高さが1.2mに達したら乗員、乗客は通行できないものと仮定した。また、本シミュレーションプログラムは、火災プルーム及び開口ジェットプルームを含み、下層への煙の侵入もモデル化しているため、下層の煙濃度も変化する。下層の減光係数が0.1m-1になると乗客は通行できないものとし、0.5m-1になると乗員も通行できないものと仮定した。

 

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図2.2.7.1 火災室の発熱率曲線(消火のない場合)

 

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図2.2.7.2 火災室前廊下における煙の状態(例)

 

 

 

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