(e) 代表イベントシーケンス及びその発生確率12)
簡単のため、消火活動の正否、火災探知の遅速及び防火扉閉鎖の正否にのみ着目して代表イベントシーケンスのグループ化を行った。結果を表2.2.6.4に示す。
(f) Event発生タイミングの仮定
煙流動シミュレーションを実施するには、各イベントが発生するタイミングを設定する必要があるため、火災の規模、人間の移動速度等を勘案し、出火から各イベントが発生するまでの時間を設定した。
(2)第II期の方法
消火・煙制御等の煙流動に直接影響を与える操作等に、失敗確率、成功の際の成功までの時間の確率密度関数(図2.2.6.2)、操作間の影響(時間的に後に生起する操作等の確率密度関数への影響)を考慮した、事故イベントシーケンス、およびそれらの発生確率を求める。
i:煙流動に直接影響を与える要素
sj:1:成功、0:失敗(要素iにおいて)
pi(t|sj=1,i):要素1〜iの成功/失敗の際の要素iの成功する時間の確率密度関数
ここで、

各イベントシーケンス毎に、要素が成功である場合に、3通りのシミュレーションを実施する。この方法により、イベントシーケンスの数が多くなっても、煙流動シミュレーションの総数は、3×イベントシーケンスとなる。
専門家による意見聴取から得られた各要素の成功の確率密度関数を早い、中程度、遅いの3段階に分け、シミュレーショをすべての要素で、早い、中程度、遅いの組合せで実施する。他の組合せの場合は、早:1、中:2、遅:3として平均(η)を取り、
1.0≦η≦α:早
α≦η≦β:中
β≦η≦3.0:遅
のように、グループ化して、それぞれの発生確率に加算する。
