日本財団 図書館


2]仮想区画、仮想室、仮想仕切

各種シミュレーションの精度低下を防止するため、仮想区画、仮想室を導入する。仮想区画と仮想室はともにシミュレーションで解析可能な形状であって、それぞれ浸水単位区画は、室を分割したものである。なお、分割の境界は仮想仕切とする。なお、仮想室の形状は、天井の形状と床の形状とが同じであるとみなし、床の端点だけで記述する。

3]隣接情報・接続情報の記述について

隣接する二つの仮想室は壁や床天井などの仕切で仕切られているが、片方の仮想室から見た仕切と他方の仮想室から見た仕切は同一であるとは限らないため、隣接する仮想室は必ずしも同一の仕切を共有するとは言えない。このことは仮想区画についても言える。これらの複雑さのため、区画および室の隣接関係については記述しないこととし、開口、扉、階段、配管による接続関係だけを記述する。

(5)出力データ例

試計算対象船舶(図2.2.1.3)について生成したものを例示する。

1]船殼データ(浸水シミュレーションへ提供中のオフセットテーブルの数表を、確認のためAutoCADで作成した透視図)(図2.2.2.2)

2]浸水区画単位データ(浸水シミュレーションへ提供中の表形式のデータをAutoCADで図化したもの)(図2.2.2.3)

3]室単位データ(避難シミュレータへ提供する形式:CADデータ(DXF)の形式)(図2.2.2.4)

 

011-1.gif

図2.2.2.2 船殻データ(オフセットより)

 

011-2.gif

図2.2.2.3 浸水区画単位データ

 

011-3.gif

図2.2.2.4 室単位データ

 

011-4.gif

図2.2.2.5 GPMEのシステムアーキテクチャ

 

011-5.gif

図2.2.2.6 PMからのデータの流れ

 

011-6.gif

図2.2.2.7 GPMEから抽出したデータ(Access形式)

 

(6)GPMEとの接続

GPMEとは、General Product Modeling Environmentの頭文字で平成6年からシップ・アンド・オーシャン財団のプロジェクト研究として開発された「組立産業のCIM開発者に提供する汎用プロダクトモデリング環境」である。現在、大手造船会社で試用されており、今後、造船設計システムはこのGPMEを用いて構成されると考えられる。図2.2.2.5にGPMEのシステムアーキテクチャーを示す。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION