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ここで、ξ(s)は浸水、火災及びその他の災害の発生確率、η(i|s)は各災害における事故シナリオの発生確率、ΣP(x|s,i)・xは各事故シナリオにおける人命損失期待値である。各災害における事故シナリオの発生確率を求めるためには、避難の状況に影響を与えないと思われる船舶の状態変化の時系列を求めることが必要となり、考えうるすべての初期条件、人間による対処のシーケンスによる災害進展シミュレーションを実施することが求められる。さらに、各事故シナリオにおいて、避難者の行動を確率的と見た場合に避難シミュレーションプログラムによるモンテカルロシミュレーションが必要である。したがって、このままでは膨大な数のシミュレーションが必要となるが、それを行わないですむように、事故シナリオの数を削減することが必要であり、この点に関して本研究部会の第II期で検討した。

(2)試計算対象船舶

本報告での試計算対象船舶は、現存の国際航海に従事する旅客船を参考にし、海上人命安全条約(SOLAS条約)の94年10月1日発効の改正規定(以下、94SOLASと呼ぶ))を満足するよう設定した(表2.2.1.1、図2.2.1.3)。各シミュレーションプログラムは同船舶を用いて計算している。なお、図2.2.1.3の目盛りはフレームNo.を示し、1目盛り0.6mである。

 

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図2.2.1.2 MSESによるリスク評価手順

 

表2.2.1.1 試計算対象船舶主要目

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2.2.2 船舶入力モジュール

(1)船舶入力モジュールの機能

船舶入力モジュールは、試計算対象船舶のデータを入力し、MSESを構成する種々のシミュレーションプログラム等に船舶データを提供する役割をもつ(図2.2.2.1)。

 

 

 

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