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FSA暫定指針の改良については、Regulatory Impact Diagram、専門家の召集方法、及びリスクの許容範囲の設定方法について議論し、MSC72にても検討を継続することとなった。また、FSA作業のためのトレーニング・パッケージを作成すべきという意見も出された。

バルクキャリアに関するFSAについては、英国及び我が国が進捗状況を報告した。我が国は、1999年3月以来、RR74の下にバルクキャリア作業部会(WG)を設け、平成11年度は国家予算をも投入して本件を遂行していることを報告した。

 

2.1.11 まとめ

以上のようにFSAの暫定指針が採択されて以来、数多くの試適用報告及びFSA手法の改善提案等がIMOに提出された。FSA自体は開発途上で指針も暫定的なものであり、試適用の結果を受けてFSA暫定試験の見直し作業を行うことが予定されているにも係わらず、非RO−RO船のHLA要求撤回のように現実の問題に対する判断材料としても使われ始めている。更に、バルクキャリアの安全性評価についてもFSA検討が進行中である。従って、MSC70を境にFSAの実用化が加速度的に進展する可能性が出てきたと言える。

 

文献

(1) Lord Cullen, The Public Inquiry in the Piper Alpha Disaster, HMSO, London, Nov. 1990

(2) Load Donaldson, The Public Inquiry in the Braer Disaster, HMSO, London, 1992

(3) MSC64/INF.2, Research on the comprehensive evaluation of the risk on individual ship: an approach to the Formal Safety Assessment, submitted by Japan, 13 September 1994

(4) MSC66/INF.28, Research on the Probability Safety Assessment of Ships in Japan: an approach to Formal Safety Assessment, submitted by Japan, 29 March 1996

(5) MSC67/INF.9, Research project on quantification of risk on lives, submitted by Japan, 6 September 1996

(6) MSC/Cic.829 & MEPC/Circ.335, Interim Guidelines for the Application of Formal Safety Assessment (FSA) to the IMO Rule−Making Process, November 1997

(7) MSC70/14/1,

(8) MSC70/INF.7,

(9) MSC/71/WP.15/ADd.1/ANNEX5, draft Guidelines for Practical Application of Formal Safety Assessment (FSA) to the IMO Rule−making Process, May 27, 1999

 

 

 

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