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(1) IMOが作成している規則の総合的検討に用いる:

(2) MSC, MEPCあるいは小委員会レベルでの規則作成の検討に用いる:

(3) 各国がIMOに対して新規則提案をする際に、その提案の有効性を証明するために用いる:

(4) 各国がexemptionを許可したり、同等措置を承認する際に、その正当性・妥当性を証明するために用いる:

(5) 船主が、その所轄する船舶が規則に合致していることを旗国に示すために用いる:

(6) 船主が、ISMコードで要求されている船舶管理システムの一部として、危険を制御するための手段として用いる。

(7) IMOの諮問機関として設立される機関が、IMOで作成された規則を有効に実施するための措置を提案するために用いる:

MSC66は、これらの内で(1)、(2)、(3)及び(7)がIMOにおけるFSAの使用範囲であるとし、これを視野に入れて指針案を作成することで合意した。

 

2.1.5 MSC67(1996年12月2日〜6日)

MSC67へは、我が国から文書MSC67/INF.9(5)を提出し、RR42における調査研究の進捗状況を報告し、人に対するリスクの基本的な捉え方を示し、我が国におけるMarine Safety Evaluation System(MSES)の開発状況を紹介した。

MSC67はCGの報告及び会議機関中に設立したWGの報告を受けて、作成しているFSAの指針案はMSC68において暫定指針として採用する方針を決めた。また、CGを再度設立して、MSC68へ指針案を提出することを指示した。

 

2.1.6 MSC68(1997年5月28日〜6月6日)

MSC68は、CGが作成した指針案を検討して修正を加え、FSAの暫定指針("Interim Guidelines for the Application of Formal Safety Assessment(FSA)to the IMO Rule−Making Process")(6)を採択した。これは、MSC/Circ.829(MEPC/Cire.335)として同年11月に回章された。

この暫定指針の中で、IMOのメンバーである各国政府および非政府組織に対し、FSAの暫定指針に従ってFSAの試適用を行い、試適用レポートの標準書式に従った報告書をIMOに退出することを要請した。また、より具体的なものとしてSOLASII−2章の見直し作業を実施しているFPに対してFSAの試適用の検討を要請した。

FSAによる解析結果については、IMOの中に継続的な評価グループを設置して評価する案が示されたが、各国の主権を侵害するような組織の設立には強い反対が示されたため、IMOの総合的な規則作成過程におけるFSAの使用方法と位置について、さらに検討することとなった。

 

2.1.7 MSC69(1998年5月11日〜20日)

暫定指針MSC/Circ.829(MEPC/Circ.335)の回章を受けて、各国はFSAの試適用を開始し、いくつかの適用成果を報告した。

非RO−RO旅客船のHLA(Helicopter Landing Area)の設置要件(SOLAS III章24-3規則で1995年に採択され、1999年7月1日以降建造の旅客船に適用予定)を対象としたFSAの試適用レポートがNorwayとICCL(The International Council of Cruise Lines)の共同及びイタリアからそれぞれ提出された。両レポートとも非RO−RO旅客船にHLAは不要と結論している。

 

 

 

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