その同等性の評価方法の内容は:
(1) SOLAS新II-2章案Part B、C、D、E及びG並びにFSSコードの各規則に示される具体的な防火設備以外であって、これらの規則の冒頭に示された基本要件を満足する代替防火設備及び設計を用いることができる。
(2) そのような代替防火設備及び設計が、その対応する規則に示された防火要件を満足していること、あるいはその規則が要求する具体的な防火設備と同等の防火性能を持つことを証明する。この証明のために、防火性能解析を行う。その内容は、
.1 どの規則の具体的要件と同等の設備を考えるかを宣言する。
.2 その規則が要求する安全性能と安全レベルを抽出して示す。
.3 考えている同等の防火設備及び設計の詳細を示す。また、その同等防火設備及び設計に起因する船舶の運航制限がある場合には、これを表明する。
.4 考えている同等の防火設備及び設計が、.2の安全性能と安全レベルを実現できることを証明する。
以上の防火性能解析の具体的な方法を示すため、「SOLAS新-2章に対する代替設計・設備の同等性を証明するための指針:Guidelines for proving equivalence of alternative design and arrangement to SOLAS Chapter II-2」の案をFP44で検討した。この同等性評価指針案に示された防火性能解析の道筋は:
.1 必要に応じて、代替防火設備・設計の設計者、その船舶の所有者あるいは運航者、製造者(造船所、機器製造者)、検査する側の代表者(旗国、寄港国)、船級代表者、火災安全の専門家からなる評価チームを形成し、そのチーム内での合意を得つつ、以下の作業を進める。
.2 考えている代替防火設備・設計の目的及び内容を示す。また、関係するSOLAS新II-2章案の規則が要求する防火要件及び基準を抽出し、考えるべき火災状況及び危険状況を抽出する。
.3 考えている代替防火設備・設計が、関係するSOLAS新II-2章案の規則が要求する防火要件及び基準を満足することを、考えるべき火災状況及び危険状況に沿って定量的に解析する。この解析の手法としては、
・ISO TR13387: 2000 "Fire safety engineering"、
・The SFPE Engineering Guide to Performance-Based Fire Protection Analysis and Design of Buildings, Society of Fire Protection Engineers and National Fire Protection Association, 1999
あるいは各主管庁が認めるその他の手法を用いることができる。
.4 .3の解析結果及び判定結果を示し、主管庁が承認した報告書は、当該船舶に保管する。
以上の同等性評価の流れを図3.2に示す。