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当該規則案は、現行SOLAS II-2章の規定により引用されているA.855(20)を条文としてそのまま取り込んだものであるが、現行SOLAS規定において同決議が脚注にて引用されているところ、その強制性につき議論となった。結局、各国とも強制として既に実施していること及び現条約本文において「shall be in accordance with」の表現により、かつ、適用期日まで規定していることからして強制決議であると決定された。

(7) その他、FP44/4/9 (Reg.2 II-2章の目的と機能要件)

我が国提案が受け入れられ、Base documentとして検討されることとなった。また、"Prescriptive requirements"の定義が必要との我が国提案についてもその主旨が受け入れられた。

(8) FP44/4/10 (Reg.17 代替物の承認)

我が国提案が受け入れられ、Base documentとしてプレナリー後のWGで検討された。

(9) FP44/4/11 (CR II-2/Reg.17 代替物承認に関するGuide line)

プレナリー後のWGで審議されることとなった。

 

2.8.2.2 FP44本会議における審議

SOLASII-2章総合見直しWG中間会合のReportが報告された。

審議冒頭、英国より、1984年現存貨物船の居住区域に対する火災探知警報装置の遡及適用について、これら船舶の居住区域の火災事故記録及び予想される工事費用について更に調査した結果、compelling needsがもはや無いとして同国提案に基づく現存船への適用案を取り下げたい旨発言があった。本会議はこれに合意し、この旨についての了承をMSCに要請することとなった。

SOLAS II-2章総合見直し案(FP44/4/2)の修正案文(FP44/WP.1 Annex1)について全般的に審議され、本会議においては特に以下の議論があった。

(1)  SOLAS II-2章案

イ. 同等物の認証ガイドライン(FP44/4/4: 米国)

我が国は、port State(寄港国)をDesign teamに含めることはSOLAS条約の一般原則に反すると指摘し、支持を得、結局Design teamにport Stateを含まないことに合意した。また、WGでの同ガイドラインの検討は、時間的都合により十分な審議が出来なかったことから、FP44/4/4(米)及びFP44/4/11(日)の文書をbaseとして、今後米をコーディネーターとするCGで検討を行い、次回FP45に報告することとなった。

ロ. Open ro-ro spaces, Special category spacesの定義( SOLAS II-2/3規則関連)

Intersessional WGで合意された我が国が作成したこれらの区画の定義について、IMDG Codeに合わせた定義がHSC Codeの定義と異なっていることについて、伊から懸念が表明され、HSC Codeの改正をコーディネートしているDE43に今次FP44で合意された定義をinformすることとなった。また、SOLAS各章間の定義を整合する必要性も指摘されnoteされた。

ハ. Maximum fire load (SOLAS II-2/5.2.2.5)

中間WGの結論(SOLASの規則からは外して、第17規則の下で代替火災安全措置として扱うための勧告MSC/Circとする)を承認した。

ニ. Fire integrityに関するWeather deck(暴露甲板)上の貨物区域のカテゴリー(SOLAS II-2/9.1.4.3.2)

我が国から、貨物船の甲板及び隔壁のfire integrityにおける隣接する区域の仕切り要件(新II-2/9.1.4.3.2)のカテゴリー(8) cargo spacesに新たに含まれたWeather deck(暴露甲板)の取り扱いについて、隣接する居住区域や船橋との仕切りにA-60やA-0級の仕切りを要求することは不必要と指摘した。これに対し北欧諸国、英等の支持がありdraftから次の一文が削除された。

"Weather decks used for cargo stowage, except for cargoes which constitute a low fire risk"

 

 

 

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