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2.8.2 FP44における審議

2.8.2.1 SOLAS II-2章総合見直し中間会議

SOLAS新II-2章案の最終検討のための中間作業部会が平成12年2月14日から18日まで、IMO本部において開催された。我が国からの提案文書に係る審議経緯は以下のとおりであった。

(1) FP44/4/8及びFP44/INF.10 "Open ro-ro spaces" 及び "Special Category Spaces" の定義

HSC Codeの定義を引用しているDraftは現SOLASと要件の適用(消防設備、火災探知装置等)が異なることから問題があるとして、我が国から新たな提案を行っていたものであるが、英国等からの指摘により、SOLAS/II-2章の定義はIMDG Codeとの整合が重要である一方、HSC Codeはそれ自身で完結しておりSOLAS/II-2と殊更整合を図る必要はない事に合意した。この合意に基づき、我が国がDraftを再度作成した。この案は、現SOLASと基本的に一致しており、またIMDG Codeとも整合性が図られていることにより、支持された。

(2) Fire Growth Potential FP44/4/13 可燃物の総量制限

Maximum Fire Load (最大火災荷重)の要件を追加することについて、我が国から現行II-2章においても可燃性物質の最大発熱量制限及び合計容積制限があり、さらに最大火災荷重で制限する必要は無く、最大火災荷重の制限は可燃性物質の最大発熱量制限及び合計容積制限の代替要件とすべきとの提案をし、大筋の合意が得られた。最大火災荷重の制限はまだ使用実績がほとんどないため(米国内では導入されている)、可燃性物質の最大発熱量制限及び合計容積制限の同等要件として第17規則に従って評価すべきこと、最大火災荷重の制限のための指針は当面は勧告として取扱うことで合意した。また、Maximum fire loadの規定については、future designの指針として有益であるとの意見もあった。従って、最大火災荷重の制限に関する規定は、Reg.5から削除され、MSC/Circ案として用意された。

(3) Detection and alarm FP44/4/7 居住区域の煙探知器

現行SOLAS II-2章とDraft新SOLAS II-2章において、居住区域の煙探知器の要件が変更されていることを指摘している我が国提案は受け入れられ、訂正が合意された。

(4) Fire Fighting FP44/4/7 免除

火災の危険性のない貨物を運送する貨物倉について、固定式消火装置を免除する規定が新SOLAS II-2章案において、危険物を運送する貨物船に対して抜け落ちていることを指摘している我が国提案は受け入れられた。従って、現行SOLASの免除規定を維持することとなった。

(5) Means of escape FP44/4/12 Watertight Bulkheadからの脱出経路

隔壁甲板下の区画からの脱出設備は2組要求されており、少なくとも一つは"readily accessible"で火災から保護された閉囲階段であることが要求されている。Watertight doorを経由する脱出経路は"Readily accessible"と解釈できるか論点となった。我が国は現行規定で"Reasonably accessible"について十分理解できるとして改正するべきではないと提案していたところ受け入れられた。

(6) Helicopter Facilities FP44/4/14 Helicopter hanger facilities

ヘリコプター格納庫に対する要件がA類機関区域と同等のものを要求しているSOLAS II-2章改正案について、当該格納庫では、ヘリコプターのエンジンは運転されていることは無いとして、Ro−Ro Space相当の要件を我が国は提案した。

 

 

 

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