本会議はワーキンググループを設置して、SOLAS/II-2章総合見直しの審議を指示した。
(2) ワーキンググループでの審議
SOLASII-2章総合見直しのスウェーデンのワーキンググループは、Mr. Johan Wikmanの議長のもとで議事が進められ、以下の議論があった。
(イ) 現行SOLASII-2章の統一解釈(MSC/Circ.847)の新II-2章への取り込みについては、我が国が取りまとめた意見に大筋合意した。
(ロ) SOLASII-2章総合見直しに関するコレスポンデンスグループの作業内容を検討し、先の統一解釈の新II-2章への取り込みを含む新II-2章案及び火災安全設備コード案を更に検討すること、並びに新II-2章第17規則案関連の代替火災安全措置評価方法指針案の作成を米国提案(FP43/3/5)を基に進めることを合意した。
(ハ) ワーキンググループは、SOLAS新II-2章案を検討するためにFP44の前週に中間会合(5日間)を開催することを勧告した。
(ニ) 火災荷重について検討し、この要件は追加要件であることを合意した。また、火災荷重の計算のための指針案(FP43/3/1 ANNEX2)についても検討した。その中で、operational items及びpersonal itemsは火災荷重の算出に含めるべきではないとする意見が大勢を占めたため、これらのitemは計算対象から削除された。
(ホ) 非常脱出呼吸具の数と配置は、米国案(FP42/16 ANNEX5)のままとし、さらなる改正は行わないこととした。
(ヘ) MSC/Circ.671に示されている固定式ガス消火装置が有効でない貨物を運送する船舶の代替消火装置について検討したが、結論が得られなかったため、コレスポンデンスグループにて引き続き検討することとなった。(SOLAS新II-2章案第10.6.1.3及び10.6.2規則関連)
(ト) 脱出設備(新II-2章案第13.1.1規則関連)に関する条文を検討したが、結論が得られなかったため、コレスポンデンスグループにて引き続き検討することとなった。
(チ) operational requirements(新II-2章案第14、15及び16規則関連)は、コレスポンデンスグループにて検討することとなった。
(リ) Ro-Ro区画の定義については、高速船コードの改正に関する審議結果(FP43/WP.1)を考慮し、適当な定義をコレスポンデンスグループにて検討することとなった。なお、定義の改定に伴って、SOLAS新II-2章案を見直す必要があることが指摘された。
(3) 本会議での議論
ワーキンググループの報告があった後、FP43本会議は以下を合意した。
(イ) SOLASII-2章総合見直しのコレスポンデンスグループを継続し、以下の作業を付託する。なお、幹事は米国が引き受けた。
(a) II-2章に対する統一解釈の新II-2章への取り込みに関する審議結果(FP43/WP.6 ANNEX1)を更に検討すること。
(b) 今次会合に寄せられたコメントを考慮し、更に(a)によって取り込むこととなる統一解釈を入れたSOLAS新II-2章案の作成を進める。
(c) 今次会合に寄せられたコメントを考慮し、更に(a)によって取り込むこととなる統一解釈を入れた火災安全設備コードの作成を進める。