またFP40はII-2/CGに対して、合意した目次案に沿ってSOLAS新II-2章案及びFSSコード案の具体的内容をFP41へ提出するよう、指示した。
2.5 FP40〜FP41の審議の経緯
FP40とFP41の間のII-2/CGは、まず船舶防火の基本要素及び防火規則の基本要件について再度議論し、その案を新II-2章第2規則案として作成した。また、SOLAS新II-2章案及びFSSコード案の具体的内容を検討し、SOLAS新II-2章案に現行のSOLAS/II-2章の規則を割り振る案を作成した。車両区域に関する規則を整理して、新20規則案にまとめた。オペレーションに関する規則を整理して、新14〜16規則案にまとめた。さらに、新防火設計・措置の同等性評価の要件を示す第17規則案を起草した。II-2/CGはこれらの案をFP41に提出した(FP41/9/3、FP41/9/4、FP41/INF.8、FP41/INF.16)。
FP41(1996年9月)では、SOLAS/II-2章総合見直しについて作業部会(WG)を設置して検討した。この作業部会では、我が国の山本博氏((財)日本海事協会)が議長を務めた。ここでは、SOLAS新II-2章案の内容を機能要件によって明確に表現すべきというスウェーデンの意見が示された。WGはII-2/CGが作成したSOLAS新II-2章案に基本的に合意した。また、同等火災安全措置・設計の評価の第17規則案、オペレーションに関する第14〜16規則案については、担当国を定め(それぞれ、スウェーデン、米国)さらに検討するよう要請した。また、II-2/CGを継続して、SOLAS新II-2章案及びFSSコード案の具体的内容の検討をさらに進めることとなった。
2.6 FP41〜FP42の審議の経緯
FP41とFP42の間のII-2/CGは、FP41における審議を受けて、適用船種によって規則を設ける現行SOLAS/II-2の書き振りを止め、船種によって適用及び規則の内容が異なる場合には、機能要件に対応した各規則の中のパラグラフの必要箇所に適用を示すこととした。一方FP41では、現行のSOLAS/II-2章の仕様的規則をすべて機能要件に置き換えようという意見も示された。そこで、一部の規則について機能要件化することを試みたが(新第5規則案)、規則の用件の内容が漠然となってしまう傾向があることが分かり、また具体的な船舶の検査で混乱を招く恐れも指摘された。機能要件規則は設計に自由度を与える反面、規則に実施が困難となることも考えられたため、同等火災安全措置・設計の評価方法を示す新第17規則案に対応する「代替防火設計設備評価指針案」を作成すべきということが合意された。また、新第14規則〜16規則の防火設備の保守と防火訓練については、「STCW条約への言及はSOLAS条約内では必要ない」、「訓練についてはSOLAS/III章が規定しているので、II-2章で重複して規定する必要はない」等の意見が出された。II-2/CGは以上の意見を反映させてSOLAS新II-2章案をさらに修正し、FP42へ提出した(FP42/6/1、FP42/6/2、FP42/6/3)。
FP42(1997年12月)では、FP41と同様に我が国の山本博氏を議長とするSOLAS/II-2章総合見直しに関する作業部会(WG)を設置して検討した。WG及びFP本会議は、2000年までに作業を終了するためには、FP42にてSOLAS新II-2章案及びFSSコード案の大筋を合意する必要があることを確認し、II-2/CGが用意したそれらの案を承認した。さらに、現行SOLAS/II-2章に関する統一解釈が合意されたことから、これらの統一解釈の中でSOLAS新II-2章案に盛り込むべきものを抽出し、それらをSOLAS新-2章案に挿入することに基本的に合意した。