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また、O'Connelは、管轄水域内での外国船拿捕に関する国際慣行は事実多様である。ある国は、信号が相手船乗組員に無視された後に、通常、砲撃に訴えている。少なくとも、国際的に認められた可視信号、音響信号を含む適切な警告が存在する筈である。こうしたものが、明らかに効果がない場合において、はじめて砲撃が用いられるものであり、まず最初は、空砲または船首を横切る実弾砲撃をなし、これらの手法が明らかに効果のない場合に、当該船舶に向けて発砲することができる。しかしこの場合、最小限の効果を伴った最小口径の実弾が使用されなければならない。砲撃による応戦で拿捕が阻止される場合以外は炸裂弾は使用されるべきではないとの見解である(11)

さらに、一般論として臨検の態様を考察するに、海上で船舶が遭遇したとき相互に国旗に対する敬礼を交換することは国際礼譲である。礼譲(comity)は慣習法ではないから国旗敬礼の権利義務は生じないが、通常実行されることで、しかも軍艦・公船に対しては商船の方が先に敬礼を行うべきとされる(12)。この礼譲を考慮すれば、商船に接近した警備船が国旗を掲揚すれば、商船の側は当然国旗を掲揚すべきことが要求されると考えられる。当然認知できているであろう状況での欠礼は、何らかの疑いを抱かせるものと理解することは、海上においては当然のことと考えてよいであろう。しかしこの場合、商船には、直ちに停船する義務が生じるわけではない。商船の性格の識別のためには、国旗の掲揚だけでなく、近距離である場合は、メガホン・マイク・信号旗等によって商船に検認(identification)を求めてもよい。検認事項(13)は通常は、船名・国籍・出港地・仕向地等である。遠距離の場合は空砲によって国旗の掲揚を求めることも考えられる。

戦時における停船方法については、軍艦と商船との間に相当な距離を置くことが考慮される。戦時においては軍艦・商船とも偽の旗章を掲げることは奇計として適法であり、また武装商船ということもあり得る。従って軍艦の砲の射程内で適当な距離を置くことが必要とされる。しかし平時においては、そうした考慮は原則として必要ではない。従って、船舶を停止させる通常の方法は、至近距離の場合はメガホン等による呼びかけによるか、信号によるか、または、遠距離の場合は拡声器・信号旗を巧く使うか、または、空砲によるか、空中に向かって実弾発射による警告を行うことである。これらの信号が無視されて始めて、強制的方法をとることができる。この場合、船首を越える第2回威嚇射撃を行うのが通常と考えられている(14)

 

 

 

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