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強制措置や実力の使用に関しては、国籍の確認や、臨検、曳航が拒まれたときに、催告を行った上で、当該船舶に対して、「必要であれば、実力の使用も含めて」、強制措置を発動することができる(7条)。この強制措置及び実力の使用について、その適用要件その他の詳細は、1995年デクレにより規定されることになっている。

 

(2) 1995年4月19日デクレ

1995年デクレにおいて、強制措置発動の要件が規定されている。デクレは、1条により、1994年法7条に規定する強制措置には、「警告射撃(le tir d'avertissement)」と、狭義の実力使用(actions de vive force et tir au but)があるとした上で、その各々についての要件を、以下のように規定している。

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対象船舶の船長が、上記の催告に従わず、続いて、警告射撃にも従わない場合には、海軍軍管区司令官あるいは海外領土における地方政府の代表者は、船舶の船長を拘束する目的のために実力を用いること(une action de vive force)を命令することができる。これは、船舶のコントロールを得るために行われる実力の使用である。この実力の使用は、首相と関係大臣に直ちに報告される(3条)。

さらに、警告射撃も実力の使用も効果を得られない時には、海軍軍管区司令官あるいは海外領土における地方政府の代表者は、首相に、船舶に向けて直射(tir au but)することを授権するように、要請することができる。ただし、この授権は、すべての可能な方法において、外務大臣の意見を受けたうえで行われる。いかなる場合にも、直射は、人にむけられてはならないし、炸裂弾を用いてもならない(4条)。

 

(3) 1994年法と1995年デクレの検討

(ア) 1994年法は、目的条項である第一条で、「国際法の尊重確保」を規定している。先にみた1985年の無害通航に関するデクレでは、その一条の解釈によっては、無害通航の国際法上の権利性すらも否定しているかのようであった。これに比較すると、執行・強制措置については、国際法に従う意図が1994年法では明確である。

 

 

 

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