そのうち第1回は、最近の不審船事犯や外国船舶による海上環境事犯に対する対応状況と緊急の事後措置について、海上保安庁側委員から説明していただき、今次の調査研究テーマについての認識を新たにすることができました。
ついで毎回、学者側委員が1名ずつ担当する基本項目について報告し、海上保安庁側委員も加わって全員で討議を重ねました。そのテーマとしては、海上警察に関するわが国とフランスの国内法制、領域外犯罪に対する刑法の適用、無害でない通航をはじめ領海内または海洋汚染の防止の規制に関するものであります。このような検討を経たのちに各学者側委員が分担項目についてその成果をとりまとめたものが、本報告書に掲載する以下の諸論稿であります。
さらに最終回には、横浜海上防災基地で巡視船やしまに乗船し視察する機会を与えていただきました。小林船長をはじめ担当官各位から懇切で誠意あふれるご説明とご案内を賜り、お蔭様で実地での貴重な知見を深めることができました。
4. 当研究会がこのような充実した初年度の調査研究を進めることができたのは、海上保安庁の各関係部課の各位をはじめ、財団法人海上保安協会の皆さんからきめ細かなご高配と多大のご協力を得た結果であります。委員一同に代わり、ここに改めて厚く御礼申し上げます。
平成12年3月
海洋法調査研究委員会
委員長 山本草二
(東北大学名誉教授)