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海洋調査船がどのような活動をしているのかは知る由もないが、外見上では、観測機器を投入し、曳航調査して揚収しており、また同じところを反復航走していることも巡視船や航空機で視認されている。

日本側排他的経済水域にいる中国海洋調査船が、海上保安庁の巡視船や航空機と応答したときの内容は、「自船は中国の排他的経済水域の中にいる」というものが多く、また尖閣諸島の領海に侵入した際には「尖閣諸島は中国の島であり、自船は中国領海内にいる」という主張を繰り返している。

(3) 海洋調査船の所属別分類

イ 中国海軍に所属するもの

「海洋○○号」という船名の場合。

ロ 国土資源部国家海洋局所属

奮闘○○号、海監○○号、大洋○○号、向陽紅○○号、勘○○号といった船名の場合。

ハ 中国科学院海洋研究所所属調査船

科学○○号という船名の場合。

(4) 国家海洋局の所掌事務概要

多くの調査船を有していると思われる国家海洋局について、中国国内用に主要任務について説明したペーパーがあるので、これを翻訳し、同時に海上保安庁との関連についても以下に述べてみたい。

イ 主要任務

・国家海洋業務の計画及び国家海洋基本法規・条例の制定。またそれらの実施・監督業務。

・中国と隣国の海域画定及びこれに関する島嶼の帰属対策問題の対応。また領海・大陸棚・排他的経済水域の管理。公海等での中国の海洋権益の保全。

・全国海域の監督管理。海域の使用許可証の発行。

・海洋資源の開発利用問題や開発計画の調整。関係部署と共同で海洋鉱産資源の調査研究。海岸と重要な海区の総合的な利用区画の制定。

・海底電線やパイプライン等人工物設置の許認可。外国調査船等が中国管轄海域に入った場合の、海洋科学研究及び海洋開発活動の実施についての許認可。

 

 

 

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