なお、漁政漁港監督管理局が漁港内を担当、海軍が軍港内を担当、というように、環境保護業務同様、決められた水域を各々の担当機関が所管することになっている。
ニ 港湾測量業務
天津、上海、広州の各海上安全監督局には「海測大隊」が設置されており、交通部の担当区域である河川、港内及び沿岸地域の航路、錨地等を測量し、それらの編集、製図、出版等を行っている。
なお、近海及び外洋は海軍の担当海域と決められており、一般の海図は、海軍司令部航海保証部製図局という部署が発行している。
(6) 教育機関と採用体制
交通部に所属する大連海事大学では、1985年に中国で初めて2年制の港務監督幹部養成課程を実施した。その後1987年に航務行政管理専攻学科を創設、89年には航路標識管理専攻学科及び水上交通安全管理専攻学科を創設して、港務監督行政の専門職員を養成するようになった。
このように港務監督行政の専門的教育機関は、大連海事大学一校のみとなっているが、その他にも上海海運学院などの所属学校が数校あり、これらからも港務監督局の職員が採用されているようであるが、縁故等で採用するなど、その方法については確立したものがない模様。
3 中国公安部と公安部辺防局について
現在当庁と中国公安部辺防局との間で、海上警備当局間の協力関係の進展を図っているが、公安部の情報は限定されているため、把握できたものについて簡単に記しておきたい。後半では、辺防局の業務の一部を紹介する。
(1) 国務院に所属する部のひとつで、日本の「省」に相当する。
(2) 人民警察の最高指導・指揮機関であり、主要な職責は、公式な情報はないものの、概略以下のとおり。
・公安業務の方針・政策・法規・規則の研究と策定
・公安情報の掌握と分析