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※ヨーロッパを約7カ月かけ、10カ国を見た。

・共和国 2カ国(フランス、スイス)

他は王国(絶対王政あり、緩やかな王政あり)

いろいろなタイプがあるということを知る。

・経済的にも、工業中心のところ、貿易中心のところ、農業中心のところ、観光的なところと、いろいろある。

使節団が見た特徴的なことは、土地土地の、また、歴史的なものによって、いろいろの生業というか国の経済力を保つやり方がなされているということを、多面的に見たということである。

また、ヨーロッパ全体で見ると、交通通信がいかに大切であるかということも見ている。

マルセイユからフランス郵船の船に乗って帰国の途についた。

スエズ運河(1869年開通)を通り、セイロン、シンガポール、香港、上海と寄港し、横浜へ帰国している。

これらの国々では、これまで見てきた欧米の帝国主義、植民地主義が中東アジアでいかになっているかを中東アジア側から見る機会ともなった。

4. 使節団が欧米12カ国、120カ所以上の町や村を見て感じたことは、要約すると次の2点である。

1] 世界がものすごく多様であるということ。

2] 経済・文明の発展の段階を一つのパノラマのように見てきた。そして、その背景にある歴史を常に念頭に置きながら見なければならないということ。

 

250年に及ぶ鎖国の後、近代国家を成立させるというただ一つの命題のもとに行われた明治維新という革命において、その革命を闘いとった側のサムライすらも身分的特権をはぎ取られ平等という一種類の国民をつくりだすという、世界の革命史の中でも特異な国家的改革をなし、更に、その約30年後には、日英米という世界3大国の位置を占めるまでに至ったのは、正に、維新前後の先人達による米欧先進諸国調査の結果が、日本民族の目標となり、骨格となり、そしてエネルギーの源ともなったものと思われる。

 

 

 

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