日本財団 図書館


冒頭

 

前課長挨拶

 

日本鉄道建設公団国鉄精算事業本部財務部長

与田俊和

 

この度の異動で国際課長を離任しました。

在任期間は、丁度一年という短い期間であった上に、色々な事案があったこともあり、アッという間に過ぎてしまったという印象です。

その間、カナダで開かれた第三回アジア太平洋海上保安主管庁フォーラムに出席したり、日韓海上保安当局長官級協議の関連で一度ならず韓国の海洋警察庁を訪問したり、また、USコーストガードの本庁にも日米犯罪共助条約の交渉でワシントンを訪れた際にお邪魔したりでき、各国の海上保安当局の関係者と知り合え、貴重な経験をさせて貰いました。

国内でもUSコーストガードの極東司令部や在日米軍、各国在京大使館海軍駐在武官ともお付き合いの機会があり、国際課長というポストを十分エンジョイさせてもらいました。仕事の面では、テポドンに始まり、不審船に終わった感があり、北朝鮮には正直振り回されました。大体が情報不足の上に「何でもあり」のお国柄で、たまたま危機管理調整室長という併任辞令も頂いていたこともあり、気の抜けない日々が続きました。

今回の勤務を通じて二つのことを認識しました。一つは海上保安庁業務の国際化の進展・広がりと、これに伴う諸外国、特に隣国の海上保安当局との「お付き合い」の重要性です。国際海洋法時代を迎え、日本の管轄水域は200海里ということで、一衣帯水の韓国、中国とは、まさに接し合う状況となっています。その上、外国船を利用した密航事案、銃器・薬物の密輸事案も増加しており、韓国・中国・ロシア等の取り締まり当局との情報交換等の連携が今までになく重要になってきています。

二つ目は、海上保安業務が我が国の安全保障に直結してきているということです。 米ソの東西対立の時代は終結しましたが、超大国によるコントロールが外れ、むしろ地域レベルでは紛争が増えている感があります。我が国周辺においても北朝鮮関連等眼が離せない状況が続いています。不審船事案等を通じ、海上保安庁に託されている責務の重大さを痛感しました。

いずれにしましても、今後海上保安庁の対外面、安全保障面で果たす役割は、益々重要性を増すものと思います。国民の海上保安庁に寄せる期待も大きいものがあります。関係者の皆様方のご苦労も、こういった観点から今後更に増えるものと推察致しますが、どうか健康にご留意の上ご活躍されますようお祈り申し上げます。

最後になりましたが、一年間どうもありがとうございました。

 

 

 

目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION