来年5月、日蘭交流400年を記念し、天皇・皇后両陛下のご訪問も予定されており、準備作業に何かと忙しい等の話を聞くにつけ、かって、阪神淡路大震災の時、五管区で共に頑張ったあの若い海上保安官が、今このように海外で孤軍奮闘中を目の当たりにし、大変心強く思ったところであった。
待ち時間をどのように過ごそうかと思い悩んでいたことが嘘のようにアッという間に過ぎ、これは幕開きから縁起が良いなとホッとしたところである。
ところが、復路、ハンブルグ発フランクフルト向け便が、この冬一番の冷え込みで翼が凍結し、出発が大幅に遅延したため、フランクフルトに到着した時には日本向けの予約便は既に出発した後であった。大汗をかきながら、キャンセル待ちの手配を繰り返し、ようやく1日遅れの帰国で幕引となった。
「旅」を意味する英語「TRAVEL」は、苦痛、骨折りを意味する「TRAVAIL」からきており、さらに言語的にさかのぼると、ラテン語の「TRIPALIUM(拷問に使う責め道具)」をさしているといわれる。旅は今もって難行苦行を覚悟しておかなければならないようである。
○終りに、現地において、公務ご多忙の中、大変お世話いただいた在ドイツ連邦共和国日本大使館蝦名一等書記官及び在ハンブルグ総領事館小橋領事に心から感謝申し上げるとともに、調査の準備から全般にわたってお世話いただいた海上保安庁総務部国際課の皆様に深甚なる謝意を表する次第である。