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また、捜索救助活動のうち、人命救助の場合に限り、隣国の領海・領空に入ることは、お互い許可型式がなく可能である。

(ハ) 職員は、約900人がSAR業務に従事している。

うち、正規職員は約190人、その他はボランティアである。

(ニ) 保有船艇・航空機

船艇……56隻保有し、北海、バルト海に配属されている。

すべてアルミ製で長期間使用可能であり、船の構造はサンドイッチ法といわれ氷海でもうまく航行できるようになっている。

航空機……保有していないが、連邦交通省と国防省との間の協定により、空からのSAR活動が必要な場合は

(ヘリ)シーキング 2機

長距離偵察機  1機 を提供してくれる。

保有船艇、使用可能航空機の要目等は、別添資料-3の通りである。

なお、航空機数が少ないと思われるかも知れないが、SAR区域の広さは日本に比すとそんなに広くなく、多くを要しない。

(ホ) 救助実績等

1998年の活動実績は、

2,442件のミッションを行い、

445人を遭難船から救助し、

1,355人を危険から救助した。

そしてドイツ領海外でのドイツ船の遭難に対して399回のSAR活動が支援された。

1865年の設立以来、人命救助された数は64,140人であり、これまでに小さな町一つが救われたことになる。

別添資料-4は、1980〜1998年の間のSAR活動実績の概要である。

(ヘ) 任務において使用される通信システムは最新鋭のものである。それは、中波(MF)、短波(HF)、及び公私両用超短波(VHF)、3種類の電話システム、DATEX-P、2台のテレックス、1台のファックスから成っている。インマルサットの直通警戒回線により、ライスチングにある地上局に24時間アクセスすることができる。

(ト) 職員の養成について

・ ブレーメンにドイツ海難救助協会の「トレーニングセンター」があり、3年前からスタートしている。

救助隊員に対する養成・訓練のみならず,定期旅客船の士官、下士官が救助隊員と一緒に養成・訓練を受けるというところが特徴的である。これは、エストニア号事故を教訓として行われているものである。

・ ブレーメンのMRCCで働く職員は、全員、商船大学出身で船長資格所有者、即ち、海上の知識、実務経験共に最高グレードの者であり、また、救助艇の乗組員は、全て、船のメカニズム、漁業関係の知識を持った人間が乗り組んでいる。

 

 

 

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