独統一の過程においては、独は一貫してNATO残留を主張したものの、統一独の軍事的ステータスは最後まで旧連合国(ソ連)との関係で懸案であったが、結局、ソ連も統一独のNATO残留を容認した。
ロ 統一後、独は、旧東独軍を一旦連邦国防軍に編入した上で、独統一に関連して国際的に公約した「1994年末における平時の兵員規模37万人」(陸軍255,000人、空軍82,000人、海軍32,500人)を達成。更に2000年をめどに平時34万人(陸軍233,400人、空軍77,400人、海軍27,200人)体制を目指している。
ハ 18歳以上の成人男子には徴兵義務が課されており、期間は12カ月。
ニ 99年国防関係予算は475億マルク。
(5) 日独関係
イ 概観
日本とドイツの交流は17世紀前半にまで遡ることができ、1639年、ドイツ人砲術家ブラウンが三代将軍家光に平戸で鋳造した白砲を献上したことが伝えられている。その他、江戸時代にケンペルやシーボルトといった人物がオランダ商館医師として日本に滞在したことは良く知られている。
日独の交流が本格化したのは幕末からであり、1861年、日本は当時のプロイセンと修好通商条約を結び、1869年に北ドイツ連邦との間で本条約を修好通商航海条約へと改定している。日本が富国強兵政策を進め近代化を図った明治期、ドイツは日本に対し、憲法を始めとする法制度、軍制等諸般の分野で計り知れない影響を与えた。
第一次大戦で断交し交戦したが、1919年復交。第二次大戦では日独伊3国同盟を締結した。基本的には良好な関係が続いている。
ロ 経済関係
97年の対日輸出は125.1億ドル、輸入は181.4億ドル。
主要輸出品は自動車、医薬品など、輸入品は自動車、電気・電子機器など。
ドイツ全体の貿易に占める対日貿易の比率は輸出が2.3%、輸入が4.9%(97年)で貿易相手国としては第10位。
ハ 在留邦人は22,318人(97年10月)、在日ドイツ人は3,963人(95年12月)。