2. 調査研究の方法
2-1 調査研究委員会の設置
調査研究に当たっては、財団法人 新産業創造研究機構の内部に「神戸港における港湾地区の多機能化による産業振興の可能性に関する調査研究(神戸港におけるリサイクル拠点づくりに関する可能性調査)」の委員会を設置し、学識経験者、関係省庁、関係地方自治体、民間企業からの委員の参加を仰いでいる。民間企業としては、関西地域で活動するリサイクルに関するプラントメーカー、エンジニアリング企業、機器メーカー、土木・建設業(ゼネコン)、運輸業、産業廃棄物処理事業者、小売・流通業など15社の代表者を委員としている。
2-2 調査研究内容
(1) 調査の視点
循環型社会を構築するためには、製品を製造する順工程と使用済み製品から、部品・原材料・エネルギーを再生する逆工程(リサイクル)の生産システム(これをインバース・マニュファクチャリングと呼ぶ)が必要である。これらを総称して循環型経済システムと呼ぶが、その基本的要素は、使用済み製品から原材料を再生する狭義のリサイクル(Recycle)に留まらず、廃棄物排出量そのものを減らすReduce、修理やレンタルでの再使用、部品再利用などを含むReuseの3Rからなっている。したがって、神戸港湾地区でのリサイクル拠点整備を考える場合にも、この3Rを念頭において、広範な業容を対象とする。
既に使用済み自動車、古紙、ガラスビン、アルミ缶等でインバース・マニュファクチャリングは存在するが、家庭電化製品、OA機器、容器包装などの分野では、多くの使用済み製品が埋立で最終処分されており、そのリサイクル工程の構築が急務となっている。近年、消費者・自治体・製造者などの循環型社会構築に果たす役割・義務を明文化した法制化が進められ、容器包装や家電製品のリサイクルが本格的に始動している。しかし、これらのリサイクルには、収集・運搬・再資源化に多くの課題が残っており、試行錯誤しながら効率の向上が長期に図られて行くものと考えられる。課題の本質は、製品を製造する順工程が、原料から製品までの各工程を単一品種ごとに集約して大量生産方式に乗せて処理することにより効率を上げてきたのに対して、使用済み製品の再資源化は、広く薄く拡散した製品を集約して、複雑多岐に組み込まれた混合物を単一品種に分けるという効率の悪い業務を行わなければならない点にある。
また、再生した資源を順工程が有効に利用し、循環物が無理なく流れるバランスが必要であり、その意味で後背地の順工程の産業群と港湾地区で新たに整備する逆工程との関連を見ておくことが重要となってくる。