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(2) PFIによる整備の可能性と課題

 

1]PFIによる整備の可能性

この共同物流施設を単なる不動産賃貸業と考えた場合、純粋な民間と民間とのビジネスとして考えられる。

しかしながら、今回の共同物流施設は神戸地域における物流基盤整備として一種の地域振興のためのインフラ整備であり、しかも、シンクタンク機能、情報化機能等の導入を想定している。このことから本来この共同物流施設は今後の地域産業の高度化を担う公共性の高い施設として考えることができる。

このため、次に示すように独立採算型と官民ジョイント型によるPFI事業としての実施を想定する。

 

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・神戸地域の共同物流施設の主導企業イメージ

PFIに参画する事業者として、商社、物流コンサルティング会社等の物流コーディネーターや、物流情報ビジネスを展開する情報システム会社等が想定される。

 

2]PFIの導入に対する課題

PFI化の実現を図るためには、PFIを主導する民間企業にとって資金回収を確実にするための方策が重要な課題となる。

そのための課題として、大きく入居物流事業者にとっての魅力づけ、主導企業のリスク低減のためのテナントの確保がある。

・入居物流事業者にとっての魅力づけ

入居物流事業者にとっての魅力づけが入居率を高める、引いては事業性を高めPFI主導企業の参画意欲を高めることになる。

ここでの魅力づけ条件として賃料の設定、施設の充実度を挙げる。

賃料の設定については、神戸周辺の普通倉庫の賃料相場が現在、4,000円/坪・月以下の相場で動いており、この賃料相場以下で賃料を設定する必要がある。PFI主導企業にとって、資金調達方法、初期投資、管理運営費、資金回収期間、入居率、及び公共の補助等から、事業としての採算がとれることの確証がなければ事業への参画は考えられない。したがって、シンクタンク機能、情報化機能や、地域基盤整備の観点から公共の支援程度が重要な条件となる。

 

 

 

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