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3) 神戸地域での物流情報化の方向

 

わが国物流事業者の情報化への意欲的な取り組み、さらには近い将来、米国並のe-ビジネスの世界の到来が予想される中、神戸地域での物流情報化は神戸港の生き残り策でもあり、神戸地域を先進物流拠点化するための重要な条件であると言える。このため情報化の対象となる、特に中小物流事業者、港湾関連物流事業者の取り組みを本格化する必要がある。

神戸地域の物流情報化の基本的な考え方は次の通りである。

・神戸地域におけるe-ビジネス化対応型物流情報インフラの整備

・それを活用しe-ビジネス企業と積極的に取引できる地元物流事業者のe-ロジスティクス化

e-ロジスティクス化

アイデアさえあれば参入が比較的容易なe-ビジネスに対して、実際の輸送手段をもっていることを強みとして、B2B、B2Cの買い手と売り手とのコーディネーターとして事業展開を図る物流事業。例としてヤマト運輸のショッピングモールの運営等

 

神戸地域の物流事業者では、物流情報ノウハウが十分でない企業も多く、先に示した事例企業のように自社で物流情報システムを開発することは難しく、自らe-ビジネス化対応型物流情報インフラや、積極的なe-ロジスティクス産業化への展開は困難と考えられる。

このため、これら物流情報インフラの整備やe-ロジスティクス産業化への展開支援を地域の物流システムとして構築していく。

具体的には物流情報インフラの整備やe-ロジスティクス産業化への展開を地域物流事業者の共同化とそれを先導・コーディネーターを確立することにより進める。

 

(1) 物流情報化への共同化

 

地域の物流情報インフラとしてベイエリアでのITS整備、港湾・空港情報システム、鉄道物流情報システム、NACCS等の諸制度の情報システム等については、整備主体である国、地方自治体、民間団体等へ積極的に関与し、地域ニーズの反映を図っていく。

それに対して、顧客への物流情報提供、顧客の物流システムへの情報システムでの対応等、必要となる物流情報システムの基盤については、共同による開発を進める。その際、将来のB2Bビジネスの拡大でその重要性が明確になりつつある神戸地域でのASPの導入を図る。このASPは情報システム会社等のデーターセンターを中心として、神戸地域の地域特有のニーズを反映した物流情報システムの基盤システムを提供するものである。具体的には、事務系情報システムや汎用物流情報システム等、自社物流情報システムや、非カスタマイズ型の顧客パッケージソフトである。

 

 

 

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