2) 米国におけるe-ビジネスの動向
米国経済は現在、ITの導入による産業革命が進んでいると称されるほど、好況な経済状況にある。特に、わが国でも成長モデル地域として常に捉えられてきたシリコンバレーでは人口が1990年には650万人であったのが、1999年には850万人に増加する程、地域の繁栄をもたらせている。
ここでは、米国における情報化を介したe-ビジネスの動向を分析する。
(1) e-ビジネスの特徴
従来のビジネスと比べ、電子媒体を介したビジネス(e-ビジネス)には違った特徴がある。その特徴故に新たな取引革命が生じている状況にある。その特徴を以下に示す。
・低コストでスピーディ
電子媒体を介することで低コストでかつスピーディな取引が行われている。自動車メーカーと部品メーカー等では共通のプラットフォームを有することにより、設計情報等の互換を図りスピーディ化を図っている例等がある。
・多数の売り手と多数の買い手(同時並行)
手軽にビジネスチャンスがインターネットで得られる、また買い手もインターネットのホームページを検索することにより手軽に購買することができる。対面式の物理的制限を除いたため、多数の売り手と買い手が出会うことのできる場が設定されている。e-bay社のインターネット・オークションはその特徴を示す例である。
・少ない投資
アマゾンドットコムのように、出店等の初期投資コストを省き、インターネット上にホームページを掲載するだけで全世界と取引ができる。
その他の特徴として、農産物から電子部品まで種類を問わない、先行者絶対的有利等がある。
e-bayのビジネスモデル 〜多数の売り手と多数の買い手の事例〜
インターネット・オークションのビジネスモデルを開発。HP上で、バイヤーとセラーのマッチングを図り、それぞれから諸経費を調達する。取引の責任はバイヤーとセラー間に限定し、e-bay社はリスクを回避している。