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(b) 細胞に対する毒性・障害性の評価方法とそれを用いた溶出溶媒自身の毒性評価

 

【実施方法】

培養細胞に対する毒性・障害性の評価方法には、LDH細胞障害性試験法および細胞増殖に対する阻害活性試験法を採用した。2つの方法について今回の研究で用いたプロトコールを図1と図3に示す。

2つの方法ともに発色試薬の反応を利用して分光学的に測定する考え方を採用した。そこで、高い再現性と試験の迅速性を考慮して発色試薬などはキットを利用した。LDH細胞障害性試験についてはLDH-細胞毒性テストワコー(和光純薬)を用いた。また、細胞増殖に対する阻害活性試験に関しては化学物質を添加した影響による細胞数の変化を測定する意味でcell counting kit (同仁化学)を用いた。

供試する細胞は各々の培養プレートで培養した。プロトコールに示すように最初の植え込み数については96ウェルプレートの場合、1,000〜3,000細胞、24ウェルプレートを用いる場合は、1万〜2万細胞とした。

最初に、これらの2つの検定法を利用して溶出溶媒自身の細胞に対する毒性・障害性を評価した。試験した溶出溶媒は蒸留水を除くエタノール・エタノール/エ一テル混液(1:1)・エ一テルの3種類の溶媒であった。添加する溶媒は最終濃度が各々10%、1%、0.5%となるように細胞の培養液あるいはリン酸緩衝食塩水(PBS、pH7.4)の中に静かに加えた。その後はプロトコールに従い、吸光度を測定した。

 

【実験結果および考察】

最初にLDH試験を行ったプレートの代表例の写真を不す(図2)。この写真は後述する3-エチルアニリンを添加した人工海水をカラムに通した後、溶出・濃縮した画分をNRK細胞の培養プレート(24ウェル)に添加して反応させたものである。

 

 

 

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