既調合形:塗料製造工場でそのまま使用できる状態に製造された塗料をいい、塗装前に鉛粉をベースに添加したり、主剤と硬化剤を混合したりしないような形である。
黄さびと希さび:明確な定義はないが、黄さびは色が黄色のさびで、初期の錆。希さびは極く初期にわずかに生じる錆の意味に使われ、明確な違いはない。
吸収:気体が、液体又は固体の内部にまで吸われること。
吸着:気体が、液体又は固体に吸われてその表面付近に溜まり、化合物をつくらない現象。
金属溶射処理:溶融した金属を高圧空気で細かい霧とし、金属の表面に吹き付けて密着させ、被覆層をつくること。メタリコンともいう。
機能配色:物を目につきやすくしたり、見分けやすくしたり、目の疲れを少なくしたりすることを目的として、屋内外の色や機器設備の色、品物などの色を適宜に配色すること。
ク]
黒皮:熱間処理材などの表面にある青黒色の酸化鉄皮膜。一時的な赤錆防止の保護皮膜になるが、脆くて錆びやすいので1種ケレンでは除く必要がある。
クラッキング:塗膜の割れの一種で素地まで到達している割れをいう。
クリプメーター:顔料や塗料の隠ぺい力を測定する計器。
クラッド処理:錆びやすい金属体の表面に、錆びにくい金属体を張り合わせ被覆すること。ステンレス鋼クラッド、ニッケルクラッド鋼等がある。
グリット:ブラスト処理を行う際の研掃材の一種。鋼を微細にしたものである。
黒錆・赤錆:鉄を空気中で575℃以上に加熱すると黒色酸化鉄を生じる。これが黒錆といわれるもので、黒皮、もしくはスケールとも呼ばれる。赤錆は、常温で鉄が変化してできるもので、主として水酸化第二鉄である。
ケ]
ケーキング:塗料中の顔料分が沈降し固型状態になったものをいう。
ケレン:鋼材の錆落しなどの清掃作業のことを指す。英語のクリーンがなまった言葉といわれる。
結露:水蒸気を含んでいる空気が冷却されに露点以下になり、水蒸気が液化して露になること。
コ]
コミがよい:濃度が高いこと。隠ぺい力がよいこと。
硬化乾燥:親指を塗膜の上に置き、腕の最大圧力で押さえたまま、90度回転させたときに、はがれ、しわ、その他の欠陥を生じない状態をいう。
固着乾燥:塗膜を指頭のわずかな圧力で押さえたとき指紋が残らない状態をいう。
コンタミ:電着塗装の仕上がり面によく見られる異常。種々の異常の中で、ムラ、斑点などの外観上の汚れをいう。
ゴバン目試験:塗膜の付着性を調べる方法の一種で、塗膜表面に鋭利な刃物で素地に達するまでゴバン目状に線を引き、その上にセロテープのような粘着テープを張り付け、塗装面と垂直方向に勢いよく引き剥がす。その後で塗膜を調べ剥離した部分の数をもって評価する。
サ]
サンドブラスト:金属製品に砂などの研磨材を吹き付けて清浄にすること。
さび(錆):普通、鉄表面にできる水酸化物(又は酸化物を主体とする化合物)をいうが、広い意味では、金属が化学的に変化して表面にできる化合物をいう。
シ]
指触乾燥:塗膜を指頭で柔らかく押さえたとき、粘着性はあるが塗膜が指にくっつかなくなった状態を指す。
シワ:塗膜にできたチヂミをさす。
重防食塗装:一般の塗装に比べて、長期耐久性があり、厳しい腐食環境に耐えられる塗装(もしくは塗装システム)のことをいう。一般にタンク関係の塗装は重防食が施される。
白さび:亜鉛メッキ、ジンクリッチペイント、アルミなどに生じる白い粉化物で、亜鉛やアルミの酸化化合物である。塗料の付着性を害するので塗装時には取り除く必要がある。
ジンクリッチペイント:亜鉛末を防錆顔料とする塗料の総称。バインダにエポキシ樹脂などを用いる有機亜鉛塗料と、けい酸塩水溶液か、けい酸エチル溶液を用いる無機亜鉛塗料とがあり、無機ジンクは重防食塗装系の下塗りに広く国際的に普及している。
恕限度:人体に有害であると規制されているガス濃度。
ショッププライマー:鋼材表面をブラスト処理した後、保管中及び加工中の一次防錆が主目的の塗料。乾燥塗膜厚は15〜20μが標準で、一般の塗料より溶接溶断性がよい。ジンクリッチプライマー、長期暴露形エッチングプライマー(ウォッシュプライマー)などがある。