第7章 船/造船/塗装の用語(基礎編)
船/造船の用語
船の主要寸法:長さ、幅、深さ、吃水(喫水)を船の主要寸法という。
船の全長:船首の先端から船尾の後端までの水平距離
吃水(喫水):海に浮かんだ船の最下点から水面までの高さ
吃水線:貨物を満載した状態で浮かんだ船の水面の位置を示す線
総トン数:国内で船舶の大きさを表すための指標として用いられるトン数で、船の内部の総容積を表す(100立方フィート=2.83立方メートル=1トン)。グロストンともいう。
純トン数:旅客又は貨物を運送する船の大きさを表す指標として用いられるトン数で、総トン数の中から、船員室、海図室、機関室、バラストタンク等船の運航に直接使用される場所の「トン数」を除いたトン数。(船が運賃を稼ぐことのできる営業用の容積のこと)
載貨重量トン数:船に積載できる貨物(水、食料、燃料、乗組員などを含む)の最大重量。重量トン、DW(デッドウエイト)とも呼ばれる。
CGRT:標準貨物船換算トン数
CGT:新標準貨物船換算トン数
排水トン:主に軍艦のトン数を表す単位として使われるもので、船の水面下の体積と等しい量の水の重量に相当する。
ノット:船の航海速度を表す単位。1ノットは1時間に1海里(1,852m)走る速さのこと。
船台:新造船を組み立てて建造する台状の設備、場所のこと。
船渠(ドック):新造船を組み立てて建造したり、修繕船を修理したりする設備を備えた場所。新造船用と修繕船用とがある。一般には、一方が海に面した平地を掘り下げた状態の設備で、海水を張って船を入れた後、水を抜いて作業を行なう。乾船渠ともいう。
船殻:船体構造のこと。
ブロック建造:船をいくつかの区画に分けて、一つ一つを別々に組み立てた後、溶接でつなぎあわせて船を組み立てる方法。
進水:建造中の新造船を船台から滑らせて水に浮かせること。又は船渠に水を張って浮かせること。
艤装:主に船体に、エンジン、各種設備、装置などを取り付ける工事のこと。進水後に艤装岸壁に船を横づけして行なわれる。
検査:自動車の車検などと同じように、船の場合も製造時及び就航後一定期間ごとに検査を受けることが義務づけられている。製造検査、定期検査、中間検査、臨時検査などがある。
竣工:船が完成して船主に引渡しができる状態になること。
LNG船:LNG(液化天然ガス)を運搬する船。ガスは元々気体であるが、液化された状態では体積が約600分の1になり輸送が容易になる。
LPG船:LPG(液化石油ガス)を運搬する船
VLCC:一般に、載貨重量20万トン以上の大型タンカーの呼称。
ULCC:VLCCの中で載貨重量30万トン以上の大型タンカーを指して呼称する。
ダブル・ハル(二重船殻):船殻が二重になっていること。又は二重になっているタンカーを呼称する。原油などを運搬するタンカーは、事故で船体が破損した場合、大量の油が流出して海洋汚染などの環境破壊を引き起こす恐れがあり、近年国際条約で船殻を二重構造にする規制が設けられた。船殻が二重になっていない構造はシングル・ハルと呼ばれる。
主機:船のメーン・エンジンのこと。
補機:メーン・エンジン以外の機械や装置(ポンプ、冷凍機、舵取機など)
上部構造:上甲板より上の構造物、主として船橋(ブリッジ)などをいう。
右舷・左舷:船の進行方向に向かって、右舷は右側、左舷は左側の船べりのこと。
艫(とも):船尾部分のこと。
舳(へさき):船首部分のこと。
タンクトップ:船底二重底のタンク上部。
鋼船:船殻などの主要構造部が鋼鉄製の船。数百トン以上の中・大型船などが鋼鉄製である。
FRP船:FRP(FIBER GLASS REINFORCED PLASTICS)と呼ばれるガラス繊維質の強化プラスティック製の船で、漁船などの小型船に多い。
アルミ船アルミニウム合金製の船で、鋼鉄製に比べて軽量なことが特質。
外航船:船は、法律や国際的な取り決めなどで就航する区域や範囲を制限される。日本と外国との間を往来する船を一般的に外航船と呼んでいる。
内航船:日本の国内だけを行き来する船。
パナマックス型:パナマ運河を通行できる最大幅の船型(幅32.2m 長は210〜270m)のこと。パナマ運河を通行できる船の全長の上限は294m。