(3) 有機溶剤の性質
有機溶剤は、下記のような特徴を持っています。有機溶剤の種類によって、それぞれに強弱がありますので、使用目的によっていろいろ混合することで、変化に富んだ新しい性状の溶剤をつくることもできます。
また、塗装作業を行う場合は、通達(昭和59年7月16日付)に基づく特別教育に準じた教育を受講することが望まれます。
有機溶剤の特徴
・多くのものは引火性がある
・特有のにおいがある
・非常に揮発しやすい
・油脂類、塗料、樹脂、ゴムなどをよく溶かす
・水と混ざりにくいものが多い
・蒸気は空気より重い
(4) 有機溶剤にはどんなものがあるか
有機溶剤を含むものには多くの種類があります。私たちの生活にも大変密接な関係がありますが、代表的なものとしては、アルコール、シンナー、ガソリン、灯油などがあり身近なところで色々な用途に使われています。
4. 特定化学物質とその取扱
(1) 特定化学物質等とは
塗料には、有機溶剤の他に顔料等として化学物質が含まれています。これらのうち、取扱如何で、がん、皮膚炎、神経障害等重大な健康障害につながる恐れがあるものは、「特定化学物質等」(労働安全衛生法施行令・別表第三参照)として特別に分類され、特定化学物質等障害予防規則により、管理方法、取扱方法等が細かく決められています。
「特定化学物質等」は第1類から第3類までに分類されていて、一般に良く知られているものとしては、PCB、石綿(アスベスト)、カドミウム、コールタール、砒素、シアン化カリウム、ベンゼン、弗化水素、硫化水素、アンモニア、一酸化炭素、塩化水素、硝酸、ホルムアルデヒド、硫酸などが代表的なものです。
(2) 特定化学物質等作業主任者について
特定化学物質等による労働災害を防止するため、特定化学物質等を取り扱う作業では、特定化学物質等作業主任者技能講習を修了した者(資格者)のうちから作業主任者を選任しなければならないことになっています。
5. 事故の際の応急処置
塗装作業などをしていて万一事故、異常が発生した場合は次のような応急処置を施すこと。
●皮膚に塗料などの有害物が付着した場合……速やかに石けんで洗う。
●目に飛沫、塗料(ダスト)が入った場合………直ちに清水で反復洗浄する。
●飛沫、ダストを吸入した場合…………………直ちに清水で反復うがいする。
●身体に異常を感じた時…………………………速やかに医師の診断を受ける。