※民間団体提供の資料より作成
海域別の傾向としては、どの船種においても太平洋ではWRSにより航海時間が短縮されている。コンテナ船では、太平洋以外の航路ではWRSの効果が小さく、航路によっては航海時間が延びている。PCCでは、どの海域においてもWRSによる航海時間が短縮されている。
経年変化については、コンテナ船のみ太平洋航路で複数の値があり、短縮時間が増加、すなわちWRS効果が良くなっているようにも見える。
太平洋以外の航路においてWRSの結果が良くないのは、主に荒天、特に北大西洋では特に氷山回避のため、大きく迂回せざるを得なかったケースが含まれていたためである。
しかし、基となっている資料は、サンプル数が少ない上、実際の航海時の天候、積荷等の諸条件は入手できなかったため、特にWRSの効果の経年変化について傾向を見るには更に詳細な資料が必要とされる。
また、別の民間WRS団体の回答では、過去の資料について詳細なデータはとりまとめられておらず、WRSの効果は、北太平洋航路について夏季で半日、冬季で1日程度の航行時間の短縮であるとのことであった。また、こうし傾向は過去10年程では大きく異ならないとのことであった。
今回の聞取り結果によれば、WRSによる航海時間の削減効果は概して最大1日程度であるといえる。