(ア) 航海開始時
・オーダー入力
WRS会社へ、運航管理者から少なくとも出航の前日までに次の事項が提供される。
1] 船名、コールサイン、予定航海速力、航海番号
2] 総トン数、全長、主機の種類、馬力、燃料消費量、動揺周期、GM値、喫水(船首および船尾)
3] 仕出し港名、出航予定日時(ETD)
4] 仕向港名、到着予定日時(ETA)
5] 積荷の種類、状況(甲板積みの有無、高さ、貨物の特殊性)など
6] 通信方法(インマルサット2またはSITOR番号、あるいは海岸無線局)
7] その他留意すべき事項(動揺の最大許容度、遭遇波高の高さの限界、船倉内の貨物の特殊性等)
これらの情報はルーティングを行うその会社の、ルート・アナリストによって航海ルート・ファイルに入力され運用されることになる。
・初期航路の推薦
予報と推薦航路に最新の気象・海象データを反映させるため、また船長が出発前に推薦航路を検討することができるようにするため、出港数時間前までにテレックス等によって推薦航路が提供される。最初の推薦航路を作成するときルートアナリストはその日のごく普通の船舶の推薦航路である基準航路を参考にする。
航行上の制約条件、また天候上の制約条件が連絡されている場合にはこれらも考慮に入れられ、それぞれの航海のための特別な推薦航路が作成される。何ら特別の条件が連絡されていない場合には、ルート・アナリストは航路選択の条件として、特に損傷しやすい貨物は船舶に存在しないものと想定し、また船舶およびその航海機器は良好な状態にあり航海の目的はその船舶に重大な損傷を与える可能性がある荒天状況に船舶を遭遇させることなく、できるかぎり早く目的地に到達することであると想定する。最初のルーティング・メッセージには、通常以下の事項が含まれている。
2 インマルサット装備船が増加傾向にあり、世界の船舶のうち1985年末で5千数百隻余に搭載されているといわれている。日本船はそのうちの1割を占めるに至っている。また、貌在、テレファックスを装備している船舶はごくわずかであるが今後の普及が待たれる。テレファックス搭載船には、図面を交えた情報が提供できるので極めて有利といえる。