1 調査の概要
1.1 調査の目的
IMO(国際海事機関)は、地球環境問題に関心を持ち続けており、大気汚染物質についてもNOx、SOx、フロン・ハロンなどについて、MARPOL73/78の新附属書の作成により迅速な対応を取ってきたことは記憶に新しいところである。同時に、同附属書の中でもCO2などの地球温暖化ガスの増加を極力招かないように留意するなど、地球環境に対する配慮を強めている。
一方、京都で開催されたCOP3以降、気候変動枠組条約(UNFCCC; United Nation Framework Convention on Climate Change)の締結国会議席上においては、外航船からのCO2排出量の実態把握とその対策がIMOに求められている。同枠組み条約内では、外航船からのCO2排出量は、各締結国および非締結国の国別排出量にカウントされていない。そのため、バンカーオイル使用分に関する排出削減量の割り当てはもちろん、現状把握も充分に行われていない状況にある。このため、UNFCCCはIMOに対し、世界レベルでの外航運航に起因する地球温暖化ガス排出量の把握および対策を行うように求めている。これを受けて、本年度よりMEPCにおいても本格的な地球温暖化ガスの調査検討が始まったところである。
これらの動向に対応するためには、機関単体の熱効率の上昇や推進効率の向上といったハード面でのこれまで以上の改善はもちろんのこと、運航形態や平均積み荷率の上昇など、ソフト面も含めてのCO2削減対策に繋がる中長期的な技術開発を行う必要がある。本事業では、船舶の規模別、船種別のCO2発生量を把握するとともに、その削減策についてリストアップを行い、将来的な削減可能量を算定するものである。
1.2 調査の経過
本年度事業の経過は以下の通りである。
平成11年
8月2日 第一回委員会開催
9月7日 海事産業研究所へ聞き取り調査実施
10月26日 三菱重工神戸造船所へ聞き取り調査実施
11月22日 舶用工業会、日本造船工業会へ聞き取り調査実施
11月24日 日本造船工業会へ聞き取り調査実施
12月13日 第二回委員会
平成12年
2月29日 第三回委員会