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図6.2.3-1 世界のメタンハイドレートの分布

(出典:松本良、奥田義久、青木豊「メタンハイドレート21世紀の巨大天然ガス資源」(1994))

 

欧米では、地球温暖化への驚異としてメタンハイドレートの研究が始まっている。気温の上昇により、メタンハイドレート層が崩壊する可能性が示唆されている。メタンハイドレートの全量10兆トンは大気中メタンガスの3000倍に相当し、メタンガスの温暖化係数は二酸化炭素の20倍であるため、メタンハイドレート層が崩壊し大量のメタンが放出されるようになると、地球環境に対して著しい変化を与えることが予想される。実際に、メタンハイドレート層の大規模な崩壊跡として、ノルウェー沖に直径3kmのクレータ100箇所が発見されている。米国海洋研究所の調査によると、すでに水深500mの海底でかなりの量のメタン放出が始まっており、水温が1年で1℃上昇しているとされている。

米国のR.Mclverは、バミューダトライアングルはメタンハイドレートの急激な分解による諸現象であるとの仮説を提唱している。その原因としては、1] バミューダトライアングルの特殊なブレイクプラトーと呼ばれる地形が水深600mから800mに存在し、水温4℃であること、2] メタンハイドレートが多量に存在し、またできやすいこと、さらには、3] 世界最大級の暖流ガルフストリームがこの海域に流れ込み、複雑な濁流を作っていて、水温を上げていることが挙げられる。これらの条件が重なり、発生したメタンガスは、海水中に吹き出し大量の泡となると考えられている。

 

 

 

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