しかしながら、前節までに述べたように、21世紀には地球的規模の環境対策はもちろんのこと、人口増加に対応した食糧やエネルギーの確保などについても、より広いエリアでの利用が求められている。技術的にも広域でかつリアルタイムで観測技術が求められており、「ローカルな海からグローバルな海へ」の方向性が存在する(図5.5.1-1)。
5.5.2 創造かつ効率的な研究開発に向けて
本調査検討の最大の特徴は、「海洋」を専門に扱っている研究者のみならず、「流体物理」、「電子・機械工学」、「化学エネルギー」、「文化論」などの専門家も交えて、まさに横断的な視点から21世紀の海洋を捉えようとしたことである。結果として、海の専門家だけでは取り上げられなかった新たなアイディアも提示された。このような分野横断的な研究者の組織化は、今後の新しい海洋プロジェクトを進める際にも必要不可欠な視点であろう(図5.5.1-2)。