4.4.2 研究開発の戦略
前節の基本姿勢に基づいて、各国は以下の戦略を持って、海洋分野の研究開発に取り組んでいた。
(1) 欧州の研究開発の戦略
1] 産・官・学の連携システムを機能させる。(リソースの集約化)
・大学と国立研究所が実質的に合体している。(SOC、MARINTEK)
・大学が企業化を推進している。(グーテンベルグ大学)
・小さい国なので、縦割り、官僚主義はない。(ノルウェー)
・国立研究所が積極的に海洋分野の研究開発の旗振りを行う。(フランス)
2] 海洋観測を総合的に捉える。
・MEMOFSプロジェクト構想(SINTEF)
・Marel Systemプロジェクト(IFREMER)
3] 国内外を問わず要素技術の導入を図る。
・国際共同プロジェクトを実施する。(EUおよびノルウェー)
・国内に海洋研究のネットワークを張り巡らせる。(フランス)
(2) 北米地区の研究開発の戦略
1] 海洋観察を総合的に捉えようとしている。(ローカリティの視点からグローバルヘ)
・太平洋観測網構想。(NOAA/PMEL)
2] 過去のリソースを有効に活用しようとしている。
・海底電話線を活用し海洋観測に活かす。(NOAA/PMEL)
・ハイドロフォン技術の利用。(ワシントン大学、ハワイ大学)
3] 情報、時にリアルタイム情報を重視する。
・海洋観測プロジェクト。(スクリプス研究所)
・HUGOプロジェクト。(ハワイ大学)
・海洋偵察技術の開発。(海軍研究所)