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3.4 生命科学技術

 

3.4.1 海洋分野からみた生命科学技術

 

近年発展の著しい生物工学において、特に海洋生物を対象とした研究分野としてマリンバイオテクノロジーが注目を浴びつつある。マリンバイオテクノロジーは海洋生物を利用した総合技術であり、その主要技術は、有用海洋生物の探索、海洋生物の育種、海洋生物による有用物質生産、海洋生物の機能解明とその利用、海洋バイオテクノロジー支援システム、海洋生態系の解明および地球環境問題への適用、海洋生物利用システムと多岐にわたっている。マリンバイオテクノロジーの主要技術は表3.4.1-4に示すとおりである。

 

表3.4.1-1 マリンバイオテクノロジーの主要技術

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(出典:松永是「おもしろいマリンバイオテクノロジーのはなし」(1996))

 

特に、マリンバイオテクノロジー分野において、現在どのような研究が注目されているのかを把握するために、平成ll年5月に開催された第3回マリンバイオテクノロジー学会大会におけるシンポジウムの講演テーマを、表3.4.1-2に示した。これらの中では、海洋生物における遺伝子資源および有用物質の探索や、生体内での結晶生成の解明等に重点が置かれていることが明らかである。そこで、このような研究の現状を踏まえ、今回は特に、バイオミメティクス注1)とその応用、海洋遺伝子資源によるバイオテクノロジー、海洋性機能食品・医薬品について調査を行った。

 

注1)生態機能をまねて新しい材料や構造を設計する研究分野。

 

 

 

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