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3.2 情報通信

 

3.2.1 海洋利用からみた情報通信

 

情報通信分野では、デジタル技術およびそれらを実現するデバイス作製技術などの進展に伴い、パソコンおよびインターネットを中心とするネットワークが急速に普及してきた。このため文字・図形・画像・音声などの多くの情報を同時に処理、かつ高速で伝達できるようになってきており、21世紀はマルチメディアの時代と期待されている。このような情報通信分野の発展は新しいビジネスを創出させたり、映像技術を発展させたバーチャルリアリティ分野の開拓、また、環境問題において地球規模での観測とそのリアルタイムでのデータ取得の実現など、多くの影響を社会に与えている。一方で情報通信の発展に寄与しているデバイス作製技術では、微細加工技術などが発展し、それを用いて機械のマイクロ化が促進され、マイクロシステムという分野が進展してきている。

本節では、このような情報分野が「海洋」にどのように利用されているかを概観する。しかしながら、情報通信は概念として極めて幅広く、あらゆる分野に寄与しているため、本調査検討では、海のもつ情報を人々に伝えるという視点に重きをおき、情報通信に伴い発展してきた映像化技術の海洋への応用として「海中コンピュータビジョン」、海中での通信技術として「海中コミュニケーション」について調査を行った。また、これに関連し、情報通信における基盤技術分野の海洋への応用として「海洋マイクロシステムテクノロジー」、海中での主要な情報通信手段である音響と環境観測との組み合わせによる「海洋音響トモグラフィー」、さらに情報通信の広域性を利用して可能となっている「バイオテレメトリー」について調査した。

 

3.2.2 海中コンピュータビジョン

 

(1) 概要

 

コンピュータビジョンとは、「2次元の画像データからそこに投影されている3次元の形状を復元するための計算機構を構成することである(情報処理学会編「新版 情報処理ハンドブック」(1995))」や、「三次元世界の視覚的イメージにおける情報を抽出し特徴づけ解釈するためにディジタルコンピュータの技術を駆使すること(「マグロウヒル科学技術大辞典」日刊工業新聞社(1996))」のように、人間の持つような視覚の機能をコンピュータに与えるということから名付けられている。

 

 

 

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