4]メリーランド州立大学環境科学研究所(UMCES)の取り組み
*UMCES: University of Maryland Center for Environmental Science
○UMCESの概要
-役割 : 研究、教育、情報公開を通じ、生態学的な見地からメリーランド州における自然環境の改善と保護に向けた包括的な施策を導く。(→チェサピーク湾計画においては、政治・行政とは独立し、科学的立場からの支援に徹している。)
-研究施設
・チェサピーク湾生物研究所(Chesapeake Biological Laboratory: CBL): 水産学、生態系研究、環境化学・毒物学、環境政策
・ホーンポイント研究所(Horn Point Laboratory: HPL): 水産増殖、沿岸海洋学、水産食品化学、湿地・藻場生態学
・アパラチア研究所(Appalachian Laboratory: AL): 森林、湖沼、渓流生態学、管理された種の生態、流域生態学、動物行動・進化
-年間予算 : 約2千万ドル(チェサピーク湾関連は約700万ドル)
○CBLでの取り組み
-カキ礁(Oyster reef)と海草の回復計画 : 'BayScape' Habitat Reconstruction Project
○HPLでの取り組み
-多分野の共同によるチェサピーク湾の生態系研究→問題点の分析(前述)
・SAVの機能評価 : 食物供給、生息場の提供、懸濁物の除去、浸食防止、酸素供給
-生態系モデルの開発
-モニタリング・ブイ・システムの開発
5]改善効果の評価
○栄養塩削減効果の評価
1987年の協定に基づき、以下の問いに答える形で1997年に評価した。
-2000年までに40%の栄養塩削減が可能か?
: 可能だが、栄養塩削減方策の改善を急ぐ必要ある。また、燐は可能だが、窒素は困難な状況で、2000年以降も支流戦略が必要である。