(4)米国の環境修復事業に関する調査記録
1)チェサピーク湾
1]湾の概況
○北米最大の汽水性内湾(estuary)
○大きさ : 南北方向の長さ199マイル(約320km)、最大幅35マイル(約56km)
○平均水深 : 約21フィート(約6m)(大部分はずっと浅い)
○流域 : 6つの州(ニューヨーク、ペンシルバニア、デラウェア、メリーランド、バージニア、ウェストバージニアにまたがり、ワシントンDCを含む)
-面積は64,000平方マイル(約16万km2)
-流域人口は1,500万人を超え、2020年には1,800万人に達すると予想されている。[www.chesapeakebay.netより補足]
2]環境上の問題点
○栄養塩の過剰負荷 -赤潮の発生
-沈水性植物(Submerged Aquatic Vegetation: SAV)の消失
-酸素欠乏
○有害化学物質の流入、蓄積(PCB、農薬等)
○大気汚染(広い範囲からの栄養塩、有害化学物質の負荷)
○景観の変化(=海岸の開発 ; ウェットランド・森林の消失等)
○土砂の流入-透明度の低下
-有害物質の蓄積
-水位上昇(→浸食)
○乱獲による資源生物の減少(striped-bass: シマスズキ、blue crab: ワタリガニ、カキ等)
○Pfiesteria pisciscida (渦鞭毛藻類)による魚類斃死
3]環境回復への取り組み
○チェサピーク湾協定
-1983年協定 : チェサピーク湾の水質と生物の改善と保全に向けて、バージニア州、メリーランド州、ペンシルバニア州、ワシントンDC、チェサピーク湾委員会(1980年設置)、環境保護庁(EPA)の協力を確認する協定が締結された。