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4.4 サンフランシスコ湾

 

サンフランシスコ湾は、南北方向約70km、幅約20kmの大きさで、太平洋に通じる湾口は2km足らずで閉鎖性が強く、平均水深は約5mと非常に浅い。1800年頃に湾岸一帯に広がっていたウェットランドのおよそ90%が、塩田や農地を造成するための埋め立てや干拓によって失われてしまったことが、最も深刻な環境問題の一つとなっている(図-4.4.1)。

 

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図-4.4.1 サンフランシスコ湾のサイズの変化(左 : 1800年頃、右 : 1998年頃)

埋め立てや干拓によって、ウェットランドの約90%が消失した

(Baylands Ecosystem Habitat Goalsより)

 

こうした海岸線の変化を危惧した市民によって1961年にサンフランシスコ湾保全協会(Save San Fransisco Bay Association)が設立され、その努力で1965年にはサンフランシスコ湾保全開発委員会(San Fransisco Bay Conservation and Development Commission: BCDC)が設立され、州政府の機関として、湾の環境保全のための長期利用計画(San Fransisco Bay Plan)の策定や海岸線の開発規制に責任を持っている。このBay Planは定期的に見直されており、1999年から5年ほどかけて次の改訂のための検討作業が行われることになっている。

 

 

 

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