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2]既往知見による浄化量の試算

藻場は、その構成種である海藻草類が生育する段階で水中の無機物を吸収・同化することで、水質浄化機能を持っている。ここでは、藻場を構成する海藻草類が利用する年間の窒素量を生産力の原単位として、藻場の種類別面積に乗じることで、年間生産量を求めた。藻場の年間生産力の原単位を表-2.2.6に、原単位に種類別面積を乗じて得られた海湾毎の藻場の年間生産力を図-2.2.10にそれぞれ示す。

 

表-2.2.6 藻場の年間生産力の原単位

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出典)「東京湾」小倉紀雄編、恒星社厚生閣

 

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図-2.2.10 藻場の現存量と年間生産力の比較

 

[結果]

東京湾、伊勢湾、三河湾は藻場面積に比例した生産力が得られているが、大阪湾、有明海では生産力が小さい。これは、ワカメやアオサ等の占める割合が高いことによる。

藻場の生産力は構成する種によって異なるが、これは海藻草類が着生する基盤や生育する環境に依存しているためと考えられる。

 

 

 

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