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1]干潟の分布状況と変遷

[目的]

a.4海湾における干潟の分布状況の量的な把握

b.水質浄化機能の低下の一因としてあげられている干潟の経年変化の把握

[結果]

・干潟は、面積でみると有明海が約20,700haと最も多く、次いで、東京湾、三河湾、伊勢湾が1,500ha程度、大阪湾で約15haとなっている。

・干潟が海湾面積に占める割合をみると、有明海で12%と大きいが、他の海湾は3%以下と小さい。干潟の存在する浅場に占める割合も有明海で41%と大きいが、他の海湾は5%以下である。

・干潟の減少率は伊勢湾、三河湾でも50%程度と大きいが、東京湾では80%以上に及び、干潟面積が広かった東京湾の沿岸域では物質循環の構造が変化していることがうかがえる。

・1945年以前の干潟面積と1993年の干潟面積を残存割合でみると有明海で約8割、伊勢・三河湾で約5割、東京湾で約2割、大阪湾で約1割となっている。

・消滅干潟面積は東京湾で約8,700ha、有明海で約5,800haとなっており、消滅干潟面積の海湾に占める割合をみると、東京湾で大きい。

[干潟の消滅理由]

・東京湾、伊勢湾、三河湾、大阪湾では、1945年以前から1978年の間に埋立、干拓、浚渫等により干潟の消滅が大きい。

・1978年から1993年の推移をみると、東京湾、伊勢湾、大阪湾では、1978年〜1993年の間では、干潟面積が増加している。これは、人工干潟の造成事業によるもののほか、砂の移動などによって既存の干潟面積の増加したものである。

・有明海では、この調査後、諫早湾の締切が行われ、約1,507haの干潟が消滅している。

 

 

 

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