3)生物の生息を脅かす要因(貧酸素)の抑制
現在の沿岸域では、陸域からの負荷の増大によって底泥中に既に多量の栄養物質が蓄積されており、貧酸素、青潮など生物の生息そのものを脅かす現象が発生している。そのため、汚濁の進行した海域において生物機能を復元、強化し、循環システムを修復するためには、貧酸素に代表されるような生物の生息を直接的に制約する要因を抑制し、生物機能が十分に発揮される条件を整えることが重要な改善の方向となる。このための手段としては、覆砂、浚渫、海水交換の促進技術、曝気、撹拌等の物理的な環境改善策を組合せ、適用していくことが効果的と考えられる。物理的な改善技術による貧酸素抑制のイメージを図-1.1.8に示す。