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d. 2電極溶接の検討

本溶接施工法では開先内に溶接電極を水平に挿入させる方式であるので、重力により溶融池が溶接進行方向の開先内へ流れ込もうとする力をアーク力で溶融池を保持してバランスを保つ。1電極溶接でアーク圧力が支える溶融池量は、溶接電流にて定まる電磁力に依存し、300〜350Aにおいて10〜13mmである。船底外板部の対象板厚は16〜22mmが多いので、2電極溶接によれば1パス溶接が可能であると考えた。

2電極の溶接トーチを挿入する方式としては、溶接ビードの形成される順序、溶融池の数から以下の2種類の案を考案し、それぞれ検討を行った。(図1.1.11参照)

(1)タンデム2プール方式

(2)タンデム1プール方式

 

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図1.1.11 水平上向2電極溶接方法の検討

 

溶接結果を図1.1.12に示すが、2プール方式では良好なビード断面形状が得られた。

一方、1プール溶接とした場合は溶融池の先行を招き、溶接ビードが開先幅方向に広がり適正な溶接結果を得ることができなかった。

 

 

 

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